ラバンジン

【製油の特徴】

地中海地方原産の低木のラバンジンは、いわゆるもっともメジャーなラベンダー(真正ラベンダー Lavandula angustifolia/L.officinalis/L.vera)と、スパイクラベンダー(フレンチラベンダー Lavandula latifolia)の交雑(交配)種。

ラバンジンはラベンダーの優しい香りにスッキリとした感じと、刺激的な香りを足したような精油である。

ラバンジンオイルとラベンダーオイルとを比較して、もっとも際立つ違いは、含まれる成分「カンファー」の有無。真正ラベンダーにはカンファーはほとんど含まれいないが、ラバンジンにはカンファーが数~15%ほど含まれている。

カンファーはケトン類の1つで、有名なエッセンシャルオイルではローズマリーに含まれている。

ラバンジンは、「シュペールSuper」、「レドヴァンReydovan」、「マイエットMaillette」、「グロッソGrosso」、「アブリアリスAbrialis」、「エメリックEmeric」などの種類がある。

【香り】

トップノート

ラベンダーよりも清潔感を与える香り

ラベンダーの香りが苦手な人にも、ラバンジンだとシャープさが加わってこちらの香りの方が好みな人も多くいる。

【主な作用】

心への作用については、ラベンダーがリラックス効果の高い精油に対して、ラバンジンはリラックスよりもリフレッシュ効果の方が高い精油。

頭の中のモヤモヤを鎮め、抗鬱効果も高い精油。

仕事と仕事の合間の休憩時にリフレッシュとして使うのがおすすめ。

体への作用もラベンダーと同様に様々な効果がある。

ラバンジンは痛みの緩和に非常に特化しており、筋肉痛をはじめ、神経痛やリウマチ、頭痛や胃痛など多くの痛みをとる効果はラベンダーよりもまさっている。

抗炎症作用もあるため、呼吸がしんどい時や鼻水にも効果のある精油。

スキンケアに関しては、火傷の緩和と殺菌作用によるニキビを治す効果があり、肌を綺麗にしてくれる作用に優れる。

虫さされや虫除けの効果も高く、水虫にも効いてくれるオールマイティな精油。


ラバンジン油は、一般に真正ラベンダー油に比べて抗菌作用において劣るように思われる。

 シュペール種およびレドヴァン種のいずれも、かなり強力な抗微生物、殺菌、殺ウイルス作用がある。

 そのほか、強壮、神経強壮、抗カタル、去痰の各効果を示す。

 したがって、感染性腸炎、鼻咽頭炎、気管支炎、無力症への効果が期待される。

(付記)現在、フランスで生産される真正ラベンダー油は、年間10トン程度で、それに対してラバンジン油は年産100トン以上にもなる。

【注意】

生理学的用量においては、禁忌はどちらについても知られていない。

世界一の真正ラベンダー油生産国はブルガリアだが(年産40トン)、それが輸出されてフランス人の手に渡ると、たちまち10倍くらいに伸ばされる。つまり、偽和され、増量される。