フランキンセンス

【製油の特徴】

英名はfrankincence(フランキンセンス)、 olibanum(オリバナム)。アラビア半島からトルコにかけて分布する。この樹(樹皮)からとれる芳香性のガム樹脂を乳香、フランキンセンス、オリバナムと称する。幹に切り傷をつけると汁液がミルクのような色を呈して滲み出すところからこの名がある。もっとも、「乳香」という語は中国語で、薫陸香(くんろくこう)の異名もある。古代から薫香として用いられた。

主産地はソマリア、アラビア南部ドラマウト地方など。没薬とともに古代オリエントの代表的薫香。

・主要成分(%で示す)

 α-ピネン       1.0(ないし43)アデン産

 α-ツエン       0〜2(インド産のものは、61にも及ぶ)

 p-シメン       0.1(アデン産のものは8に達する)

 リナロール      0.2(エリトレア産のものは3にもなる)

 n-オクチルアセテート 0〜5(エリトレア産は>5)

 n-オクタノール    0〜4(エリトレア産ではおよそ8)

【香り】

ウッディーとスパイシーが混ざり、僅かにすっきりした感覚が残る香り

ベースノート

【主な作用】

 薬理作用 モルモットの回腸で、in vitroで、強烈な痙攣惹起作用を示した。

 抗菌効果 フランキンセンス油は、多種多様な細菌にたいして非常に強力な殺菌・抗菌作用を示す。

 抗真菌効果 弱い。

 抗酸化作用 認められない。

【注意】

フランキンセンス油の成分の多くが、合成したもので代用される。とくに品質基準物質のα-ピネンを化学合成品でごまかした製品がでまわっている。