セージ
【製油の特徴】
セージはシソ科の小低木。古代からヨーロッパでその葉は香味料として(ソーセージづくりには不可欠。もっともソーセージのセージは、「塩」を意味するラテン語に由来する)、また薬として使われてきた。ローマ人は、ヘルバ・サクラherba sacra(聖なる草)とも呼んだ。salviaはsalvation(「救い」を意味する英語)と同じ語源から来ている。
英語では、これをダルメシアンセージ、トルーセージ、レッドセージ、イングリッシュセージともいう。
主要成分は1,8-シネオール、α-ツヨン、β-ツヨン、カンファー、リナロール
【香り】
トップノート
【主な作用】
ダルメシアン・スパニッシュの両セージは、体内からとりだしたモルモットの回腸で痙攣惹起作用を示した。
抗菌作用 細菌の種類にもよるが、総じてあまり強いとはいえない。
抗真菌作用 真菌の種類によって、さまざまである。
駆風作用 両種のセージとも、この働きを示した。
酸化防止作用 ダルメシアンセージに、これが認められる。
痙攣惹起作用 ラットでもヒトでも、多量に使うと痙攣をひきおこす。内用はもとより、外用でもそうである。
【注意】
ツヨンは、ふつう有毒とみなされている。しかし、α-ツヨン、β-ツヨンとも、英米では食品用香料として、ごく少量ならば、その使用が許されている。
含有ツヨン分のせいで中毒患者を多くだしたフランスのアブサン酒のほうは、1915年に製造が禁止されている。しかし、そのもとになったヒソップ(Hyssopus officinalis)は、この生育地によってツヨン分をほとんど、あるいはまったく含まないケモタイプがある。フランスの有名なリキュールの「シャルトルーズ」は、そうしたヒソップを使っているので、これまで、何もトラブルをおこした例はない。
セージはツヨンを多く含むので、多量に摂取すると中枢神経系に毒性を示し、麻痺を惹起する。特に女性はツヨンに弱いらしく、セージ油を用いたマッサージをうけたり、沐浴用に多くて10滴湯に落として用いたりしただけで腹痛に襲われたり(子宮の異常収縮に起因するものだ)、ひどい月経過多になったりしたケースが報告されている。多くのセラピストは、このためにこれに代えてクラリセージ油を利用している。ダルメシアンセージ油は幼児に使ってはダメ。癲癇(てんかん)の素質のある人間に使用するのも、妊娠中の女性に用いるのも、いずれも禁忌。
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