ローズ
【製油の特徴】
ローズの香りは300種類以上の成分から成り立っているため他にはない芳醇な香りを放つ。抽出方法によっても香りは異なり、水蒸気蒸留からなるローズオットーと、溶剤抽出からできるローズアブソリュートがある。溶媒抽出の方がより多くの香りの成分を抽出できるため、アブソリュートは深い香りになり、より芳香浴や香水、といった香りを楽しむ使い方に向いている。成分でいうと、ローズアブソリュートはバラの芳香成分であるフェニルエチルアルコールがメインとなる。一方、ローズオットーはシトロネロールがメインで、より鎮静や免疫調整作用に優れマッサージやスキンケアに向いている。
【香り】
オットー:フレッシュなローズの香り。
アブソリュート:深い濃厚なローズの香り。
【主な作用】
■PMS・月経前症候群
■更年期障害
バラは女性の不調に関わりが強く、女性ホルモンの調整作用、子宮強壮作用がある。生殖機能に関わる不調にもいいと言われ、不妊やEDなどにも効果的と言われている。
ローズオイルが女性ホルモンのバランスを整えるメカニズムは、
1、香りが鼻腔を通じて大脳辺縁系に伝わる
2、大脳辺縁系から視床下部へ信号が伝達される
3、視床下部から自律神経系、免疫系、ホルモン系のバランスを調整するよう指令が下る
4、心身に生理反応が起こる
と言ったところか。
特に注目すべき点は視床下部が自律神経系、免疫系、ホルモン系すべてのコントロールを司っているということであり。 そのため、自律神経に問題がでれば免疫やホルモンバランスが崩れる、逆にホルモンバランスが整えば自律神経もよくなる。
更年期障害はこのバランスの崩れが顕著になることであり、卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌が減少することで、 同じ視床下部から命令が出ている自律神経にも支障がでてくるため、急に発汗したり、情緒不安定になったりと自律神経失調症の症状がでてくることが原因である。
■にきび
バラの香りの主成分は、ゲラニオール、シトロネロールなどのアルコール類が中心となっており抗菌作用があると言われる。また近年注目されているティーローズエレメント(ジメトキシメチルベンゼン)も含まれており、高い鎮静効果があるためストレスに対するコルチゾールの増加を抑制させる効果が期待される。
ストレスを感じると体ではコルチゾールというホルモンが分泌されて自律神経の交感神経が優位となり、末梢血管が収縮させてストレスから臓器を保護する。ストレスを受け続けると血管の収縮が長く続き血流が悪くなり、酸素や栄養が行き渡らず、肌荒れや肌のくすみの原因となっている。
■うつ状態
バラには高い鎮静効果のあるティーローズエレメント(ジメトキシメチルベンゼン)が含まれていると言われている。これはストレスを感じると体から放出されるコルチゾールを抑制させる働きがあるという。過剰なコルチゾールは脳を傷害し、海馬などの萎縮を招くとされており、過剰なストレスを受けてうつ病になると脳内の海馬や帯状回が変化する。実際MRIでうつ病の方の脳を調べると、情動を抑える帯状回や記憶などに関わる海馬が、健康な人に比べて小さくなっている。ストレスを除外することが最も大切なことではあるが、ホルモンバランスの調整も同時に行うことをすすめる。
【注意】
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