禁煙をアロマで
喫煙による煙には、4,000種類以上の化学物質が含まれ、有害物質約250種類の中には少なくとも約70種類の発がん性物質や多数のフリーラジカルなどがあります。これらにより喫煙が、がん、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、その他のさまざまな健康障害の原因になっていることが、国内外の多くの疫学的および実験的研究から示されています。
◆病態生理
タバコを吸うと、タバコに含まれているニコチンが肺から血中に入り、そして脳に達します。ニコチンが脳の受容体に結合するとドパミンが放出され、ドパミンが放出されると快感が生じ、さらにタバコを吸いたくなります。精神的にも身体的にもタバコが止められなくなるのは、ニコチンの持つ強い依存性が原因です。
この喫煙習慣は「ニコチン依存症」として治療が必要な病気とされ、タバコの害の認知とともに禁煙補助薬が注目されてきました。
禁煙は必要ですが、この副作用モニターを参考に禁煙補助薬のリスクを知り、禁煙支援に役立てて下さい。
◆薬の副作用
禁煙補助薬には、ニコチンを含まない飲み薬、ニコチンパッチ、ニコチンガムの3種類があります。医師が処方し、健康保険等が使えるのは、ニコチンを含まない飲み薬と、医療用のニコチンパッチです。ニコチンガムと、一部のニコチンパッチは、薬局で買うことのできる一般用医薬品になります。
悪夢・幻覚・幻聴・意識消失・意欲低下・不眠・うつ症状・嘔気・皮膚掻痒感など
《アロマの使用方法》
ユーカリ・ラディアタ
ローズマリー・シネオール
ペパーミント
リトセア
エタノール
睡眠中にタバコの匂いと共に不快な臭いを体験すると、喫煙量が減るというイスラエル、ワイツマン科学研究所の研究グル-プの論文がある。
普段心地よいタバコの煙も、不快臭と共に吸うことにより、脳が煙草の煙=不快という関連付け、記憶の結合をしてしまう可能性
Anat Arzi, et al., Olfactory Aversive Conditioning during Sleep Reduces Cigarette-Smoking Behavior. The Journal of Neuroscience, 12 November 2014, 34(46): 15382-15393; doi: 10.1523/JNEUROSCI.2291-14.2014
喫煙者と非喫煙者にアロマのある環境とない環境で2時間を過ごし、気分や集中力や作業の違いを検討した。その結果、状態不安や気分には喫煙習慣によるネガティブな影響の可能性が示唆された。気分評価や積極性評価尺度ではアロマによる改善向上効果が伺えた。集中力や計算作業では、喫煙者でアロマによる練習効果があらわれるとともに誤答減少がみられ、覚醒水準向上効果が示唆された。したがって、喫煙者や非喫煙者の違いに関わらず、アロマには心理的状態改善効果があることが推察されるが、集中力については特に喫煙者で改善向上効果があると考えられた。すなわち、喫煙者は一時的断煙状態では、気分の落ち込みや注意や集中力の低下がみられるが、それら禁煙によるネガティブな症状の顕在がアロマによって抑制され、非喫煙者と同じ状態に近付くことが示唆された。
http://www.jascs.jp/kinen_kagaku/2012/2012-02/kinen-kagaku2012-02-P1.pdf
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